「システムエンジニアを辞めたい」と考えている人は、さまざまな不安を抱えています。
「上司に文句を言われるかもしれない」
「有休をすべて消化できるのかな」
「引き留められたらどうしようかな」
僕自身もシステムエンジニアを辞めた経験があり、当時は不安がありました。
しかし「退職」というネガティブなテーマは、他人に気軽には相談できませんでした。
無事に退職できたものの、振り返ってみると「ドタバタしてたな」と感じます。
そこで今回は「エンジニアが退職を決心した理由」をテーマに、経験談や心境をアンケート調査してみました。
「仕事を辞めたい…」と悩んだときは、まず第三者に相談することが大切です。
退職は少なからずリスクを伴うため、勢いまかせに行動することはおすすめできません。
身近な人や転職のプロに相談したほうが、気持ちを整理しながら正しい選択肢を見極められます。
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元システムエンジニアにアンケート調査を実施
元システムエンジニアを対象に、以下のテーマでアンケート調査を実施しました。
- システムエンジニアを辞めた理由は?
- 退職するときに悩んだことや困ったことはある?
アンケート調査で得られた意見は、退職のモデルケースとして貴重な情報です。
退職のきっかけや事前に意識すべきことなど、自分自身の心境と対比してみましょう。
僕自身もシステムエンジニアだった頃は、退職したいと悩んだことがあります。
しかし、ネガティブな話題を周囲に相談できず、一人で考え込んでモヤモヤしてばかりでした。
「似たような境遇の人がいる」と知るだけでも、
気持ちが少しだけ前向きになりますよ。
アンケート|システムエンジニアを辞めた理由は?
集計方法:クラウドソーシングサイト
募集対象:20~60代の元システムエンジニア男女46名
元システムエンジニアの退職理由は「忙しさ」が46人中14人と最多でした。
また「待遇・環境への不満」も、46人中12人と多数派の意見となりました。
仕事の悩みといえば「人間関係」なイメージがありましたが、
退職理由としては少数意見でした。
退職理由①|忙しさ
「忙しさ」を理由に退職した人の具体的な回答を4つ紹介します。
毎日遅くまで残業、休日出勤は当たり前。
そのうえ、残業手当も休日手当も一切出なかったので辞めました。
忙しさへの悩みは、もはや「システムエンジニアあるある」です。
また、アンケートの回答からは、忙しさがさまざまな悪影響を及ぼすことがわかりました。
- 体力的なツラさを感じる
- 精神的なツラさを感じる
- プライベートな時間を奪われる
退職理由②|待遇や環境への不満
「待遇や環境への不満」を理由に退職した人の具体的な回答を4つ紹介します。
本社が移転し、通勤に片道2時間かかることが負担でした。
また、チームのリーダーと折り合いがつかなかったことも要因です。
「残業代が出ない」のように、仕事量と給料が見合っていないことに不満を感じる回答が目立ちました。
また、職場の制度や生活環境の変化により、働き方のミスマッチが起きてしまうケースもあるようです。
退職理由③|結婚・引っ越し
「結婚・引っ越し」を理由に退職した人の具体的な回答を4つ紹介します。
都内で仕事していましたが、長野へ引っ越すこととなり退職しました。
結婚が退職のきっかけとなることもあるようです。
とくに「30代女性」からの回答が多く、全体の80%(4人)を占めていました。
- 居住地が変わることで通勤できなくなる
- 仕事と家庭のワークライフバランスを保てなくなる
働き方革命をきっかけに、企業の制度が見直されつつあります。
しかし、忙しさの目立つシステムエンジニアには、仕事と家庭のバランスを保てない現状もあるようです。
退職理由④|人間関係
「人間関係」を理由に退職した人の具体的な回答を4つ紹介します。
同僚との人間関係が上手くいかなかった。
人間関係といえば、よくある仕事の悩みです。
しかし、退職理由としては、意外に少数意見でした。
おそらく、部署異動や配置転換のように、解決策を講じやすいことが要因と考えられます。
僕自身も上司との人間関係に悩んだ時期がありましたが、
部署異動で退職には至らなかった経験があります。
退職理由⑤|別のことへの興味
「別のことへの興味(転職・新しい目標)」を理由に退職した人の具体的な回答を4つ紹介します。
転職先が見つかったので退職を決心しました。
転職先が決まったり候補が見つかったりすることで、退職を決意した人もいました。
悩みを解決する手段として退職することは、少なからずリスクが伴います。
しかし、明確な目標や転職先が決まっていれば、退職への一歩を踏み出しやすいのかもしれません。
「旅をする」といった夢を叶えるための退職は理想的ですね!
退職理由⑥|その他の少数意見
その他の少数意見を挙げた人の具体的な回答を4つ紹介します。
仕事でパソコンを1日中見ているので、視力が落ちてしまい、運転免許を更新できなかったから。
アンケート|退職するときに悩んだことや困ったことはある?
集計方法:クラウドソーシングサイト
募集対象:20~60代の元システムエンジニア男女46名
退職するときに悩んだり困ったりしたことがあると回答した人は、全体の「74%(34人)」でした。
さらに「困った理由」を調査したところ、以下のような結果となりました。
悩んだことや困ったことがあると答えた人の約半数が「時間がかかった」と回答していました。
また、上司からの引き留めや苦情による「圧力を感じた」との回答も目立ちました。
悩んだこと①|想定していたより時間がかかった
「想定していたより時間がかかった」と回答した人の具体例を4つ紹介します。
自分の所属会社に退職の意向を伝えたが、出向先まで話がとおっていない状態が続きました。
結局、3ヶ月ほど働き続け、退職するので契約延長できない旨を自分から出向先に伝えました。
30人ほど部下を抱えていたので、引き継ぎや教育などを済ませ、5ヶ月後にようやく退職できました。
システムエンジニアは、業務が忙しくなる傾向にあります。
そのため、引き継ぎに十分な時間をかけられない、後回しにされてしまうといった悩みが目立ちました。
- 引き継ぎに時間をさけない
- 後任の選定が進まない
- 引継ぎ資料の作成に時間がかかる
とくに業務が属人化している場合は、後任者への引き継ぎに時間がかかります。
業務が忙しい状況では、自分自身と後任者の時間を確保する必要もあるため、スムーズに退職できずモヤモヤとしてしまうこともあるようです。
悩んだこと②|上司や会社からの圧力があった
「上司や会社からの圧力があった」と回答した人の具体例を4つ紹介します。
退職を相談していた先輩にワークチャットでバラされました。
それ以降、会社に行けなくなり、最後は退職代行サービスを利用して退職しました。
退職の意思を伝えたことで、会社や上司が反発する事態を引き起こすケースもあるようです。
とくに有休消化や退職時期については、退職者の要望どおりとはならないことも少なくありません。
もちろん、会社や上司の立場を配慮して、
退職者が出ることで困らせてしまうことも理解すべきです。
とはいえ、あまりにも理不尽な要求やハラスメントを受けた場合は、第三者(相談窓口や代行サービス)への相談を検討しましょう。
悩んだこと③|お世話になったので申し訳なさを感じた
「お世話になったので申し訳なさを感じた」と回答した人の具体例を4つ紹介します。
退職の意思を上司に伝えるタイミングが難しかったです。
システムリリースが終わった後にするか、自分の体調を優先するかで悩みました。
前者を選べば、自分の体調が悪くなる。後者を選べば、引き継ぎ要員がいないため、会社が困る状況に陥ります。
最終的には、後者を選んでも「会社に問題はない」とのことで、個人の都合を優先しました。
会社や上司との人間関係が悪くないからこそ、退職の意思を伝えづらいと感じることもあります。
とくにネガティブな話題ほど、声をかけるときに緊張するはずです。
僕自身も退職の意思を伝えるときは、想像以上に緊張しました。
「なんて声をかけようか…」と30分くらい躊躇したほどです。
また、忙しい時期は「迷惑をかけてしまうのではないか」と遠慮してしまうこともあります。
とはいえ、退職する「ベストなタイミング」なんて基本的にはありません。
あまり自分本位になりすぎないよう、会社や上司に相談しながらすすめる前提で退職の意思を伝えましょう。
悩んだこと④|決断に不安を感じた
「決断に不安を感じた」と回答した人の具体例を4つ紹介します。
エンジニアとして、これまで積み上げてきた経験やスキルが「無駄になってしまうのではないか」という寂しさのようなものがありました。
なかなか踏ん切りがつかず、上司や同僚も感情に訴えてきたのでストレスがたまりました。
退職を決断したものの、初めての経験に不安を感じる人もいました。
- 培った経験が無駄になってしまうのではないか
- 上司や同僚に理解を得られないのではないか
退職することは、自分にも他人(会社)にも少なからず悪影響を及ぼします。
だからこそ、後悔やトラブルを想像してしまい、二の足を踏んでしまうのでしょう。
「嫌味を言ってくれたほうが心置きなく辞められる」といった回答もありました(笑)
困らなかった人の理由|どのように解決すべき?
アンケート『退職するときに悩んだことや困ったことはある?』では、26%(12人)が「困らなかった」と回答しました。
とくに「円満退社だったから」と回答した人は、全体の50%を占めています。
そこで、アンケート結果から、退職時に困らないためのヒントを分析してみましょう。
退職のヒント①|あらかじめ「退職するつもり」で業務をこなす
退職を決心してから、業務と並行して引き継ぎ資料も準備していました。
システムの運用マニュアルを抜粋できたことが効率的でした。
少しだけ上司から引き留められましたが、円満に退職できました。
あらかじめ退職することを想定して、業務と並行しながら引き継ぎ資料を準備するのも効果的です。
業務しながら引継ぎ資料を作成することが困難な場合は、マニュアルに流用できそうな資料を探してみましょう。
引き継ぎに活用できそうな資料を一箇所にまとめておくだけでも、
後々の手間を削減できると思います。
退職のヒント②|退職代行サービスを活用する
上司と顔を合わせたくないと思い、退職代行サービスを活用しました。
初めての活用で不安がありましたが、会社の人と顔を合わせることなく退職できました。
会社や上司との関係性に不安要素がある場合は、退職代行サービスを活用することも検討してみましょう。
立場や状況を利用して圧力をかけられた場合に、自分ではどうにも対応できないこともあります。
一般的な退職代行サービスは、
24時間いつでもLINEやメールで相談できますよ。
とくに退職金や残業代の請求など、自分の判断で進めることに不安を感じる場合は、退職代行サービスに相談してみましょう。
退職のヒント③|余計なことは気にしない
会社に退職の意思を伝えるのは、正直に言うと緊張しました。
でも、実際に話をしてみると、快く応援してくれました。
退職の意思を伝えるときは、さまざまな不安要素を想像してしまいます。
僕自身も忙しい時期に辞めることに申し訳なさがありました。
しかし、冷静に考えてみると、そもそも忙しくない時期なんてありませんでした。
忙しさを気にしたら、いつまで経っても辞められなかった。
実際に退職を経験した身としては「気にしないこと」も大切だと感じました。
それでも、不安を感じたり緊張したりするのは当然のことです。
退職するのは「長い人生のたった数日、たった数時間」と考えて、辞めた後の前向きな未来に集中することをおすすめします。
退職を決意したら引き継ぎを想定しながら業務しよう
今回のまとめ
- あらかじめ「退職するつもり」で業務をこなす
- 退職代行サービスを活用する
- 余計なことは気にしない
退職を決意したら、引き継ぎを想定しながら業務しよう!
システムエンジニアを辞めた理由をアンケート調査した結果、最多の回答は「業務の忙しさ」でした。
そして、業務の忙しさは、退職時の引き継ぎにも悪影響を及ぼすことがわかりました。
業務の忙しさを個人でコントロールすることは困難です。
だからこそ、退職時の負担を減らすことを想定しながら、業務と並行して引き継ぎに必要な資料を少しずつまとめておきましょう。
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