システムエンジニアの頃は「超繁忙期」を何度も経験しました。
当時の睡眠時間は「2時間」。
そんな生活を半年ほど続けていました。
睡眠時間「2時間」の生活が続くと、人はどうなるのか?
とあるシステムエンジニアの一例ではありますが、個人的に体感したことを紹介します。
先に結論を伝えると、無理をすることは立派なことではありません。
僕のようなシステムエンジニアとならないように、この記事が役立つと嬉しいです。
この記事でわかること
- システムエンジニアの超繁忙期(体験談)
- 睡眠時間「2時間」の生活を乗り越えた方法
- 睡眠時間が短すぎて体感したこと
- 超繫忙期を招いてしまったことへの反省点
システムエンジニアの超繁忙期を経験した
システムエンジニアにとって、繁忙期はよくあることです。
感覚がマヒしてしまったのか「残業が多い」「休日に出勤する」なんてことでは驚きません。
しかし、そんな僕自身でも「さすがにヤバい」と感じる超繁忙期を経験しました。
- 睡眠時間は2時間くらい
- 休みをとる余裕なんてない
- プレッシャーとの闘い
26歳|初めてのプロジェクトリーダー
超繁忙期を最初に経験したのは、初めてプロジェクトリーダーを任された案件でのこと。
案件の見積額は約3000万。
初めて担当する案件にしては、規模がデカくないか?
そんな案件を任された理由は「ほかに頼める人がいない」とのこと。
下請けの中小企業では、限られたリソースで何とかするしかありませんでした。
「分からないことがあったら相談して」
よくある決め台詞を上司から言われたものの、そもそも「1~10まで分かりません」と言いたい心境。
結果的にプロジェクトはクローズできましたが、たくさんの失敗も経験しました。
- 先輩に頼みづらくて自分で対応してしまった
- 業務の流れを把握しておらず抜け漏れがあった
- 想定外の仕様変更が多発した
(断って良いのか分からず引き受けてしまった)
さまざまな苦戦を強いられた結果、睡眠時間が2時間の生活を過ごすことに。
いまでも「よく倒れなかったな」と思います。
- 深夜2時にコインランドリーへ行く
- 洗濯~乾燥中に駐車場で仮眠
- 早朝4時に自宅へ戻る
- シャワーを浴びて6時に家を出る
30歳|デスマーチ案件
2度目の超繁忙期は、退職するきっかけとなったデスマーチ案件でのことです。
クライアント(元請け)とエンドユーザーが揉めてしまい、プロジェクト開始が半年間もズレました。
しかし、システムリリースの時期は変えられず「短納期高負荷」のデスマーチ案件が誕生します。
「命にかかわる危険」を感じて退職を決意しました。
短納期すぎて内部リソースでは人手が足りず、30人月も海外(ベトナム)へ外部委託したほどです。
- リソースが増えたことにより管理の負担が増加
- プレイングマネージャー的な立ち回りもあり業務に追われる
- いつまで経っても終わらないケンカ
(クライアントとエンドユーザー)
とにかくクライアントとエンドユーザーの揉めごとに振り回されました。
話はまとまらない。でも、納期は変えられない。
このとき初めて「下請け企業」のきつさを知りました。
睡眠時間「2時間」の生活を乗り越えた方法
睡眠時間「2時間」の生活なんて、いまとなっては絶対にできません。
もちろん「頑張ればなんとかなる」なんて1ミリも思いません。
しかし、当時は体調不良で倒れることもなく、そんな生活を乗り越えました。
- とにかく業務を片付けることに集中した
- 欲求に対して正直に過ごした
- ギブアップした(同僚に助けてもらった)
正直に言うと「こんな生活すべきじゃない」というのが本音です。
少しでも参考になればと思いながら、乗り越えたときの経験談を紹介してみます。
とにかく業務を片付けることに集中した
忙しい状況では、とにかく業務を片付けることに集中しました。
なぜなら、業務が終わらなければ、忙しい状況(つらい状況)も終わらないからです。
とにかく業務を終わらせたくて、多少なりとも無茶をしました。
残業したり休日出勤したり、無茶をしたことも睡眠時間を削る原因でした。
常にプレッシャーを感じていたせいか、なぜか体調が崩れなかったです。
とはいえ、精神的なしんどさを毎日感じていました。
欲求に対して正直に過ごした
忙しい時期は、とにかくストレスとの闘いの日々でした。
仕事以外で余計なストレスを感じないためにも、欲求に対して正直に過ごすことを意識していました。
- どんなに帰りが遅くても晩御飯を食べた
- 寝る前にスマホをいじった
- 週1ペースで風俗に通った
生活の乱れを軌道修正するためには、ガマンや摂生が必要です。
しかし、ガマンや摂生は、ストレスにつながることもあります。
ただでさえ仕事のストレスを溜めこんでいる状況で、新たなストレスを受け入れる余裕はありませんでした。
暴飲暴食や散財をしても、あえて気にしませんでした。
というより、気にすることが「精神的な負担になるかも?」と不安を感じていました。
ギブアップした(同僚に助けてもらった)
退職のきっかけとなった案件では、心が折れたタイミングでギブアップしました。
上司に「精神的な限界を感じている」と伝えました。
別業務を担当していた同僚に引き継いでもらうことに。
自分は少し休みをもらい、そのまま退職へ。
正直なことを言うと、ギブアップすることには勇気が必要でした。
- 同僚に迷惑をかけることへの申し訳なさ
- ギブアップすることへの情けなさ
とはいえ、いまとなっては「ギブアップして正解だった」と思います。
無理して続けていたら、周囲を巻き込んで「もっとひどい状況に陥っていた」と感じているからです。
睡眠時間が短すぎて体感したこと
睡眠時間が短い時期は半年以上続いたのですが、幸運にも倒れることなく乗り越えられました。
とはいえ、さすがに体調面や精神面の違和感を感じることはありました。
身体の異変
忙しかった時期はプレッシャーで気が張っていたせいか、体調をくずくことがありませんでした。
しかし、以下のような「身体の異変」が表れました。
- 蕁麻疹
- 痛風
- 腰痛
医者が言うには、いずれも睡眠時間の短さとストレスが原因だそうです。
システムエンジニアを辞めた現在は、いっさい再発していません。
普段はビールをほとんど飲まないので、
まさか痛風になるとは思いませんでした。
日中は睡魔との格闘
睡眠時間が短いので、業務中は睡魔との闘いでした。
さすがに業務中は寝られませんが、2~3分ほど夢の世界に行くことはありました。
頭に何も浮かばないような、
明らかに頭の回転が遅くなっている実感もありました。
しかし、夜型の生活が続いたせいか、18時以降にようやく頭のエンジンがかかります。
もはや「定時と定時後」が逆転してしまう悪循環が続いてしまいました。
超繫忙期を招いてしまったことへの反省点
システムエンジニアは、基本的に忙しい職業だと思います。
しかし、忙しかった頃を振り返ってみると「あのとき、こうしておけば…」と反省することもあります。
業務を自分で抱え込みすぎた
忙しさを生み出した1つの要因は、作業量が自分の許容範囲を超えてしまったことです。
とくにプロジェクトを管理する立場となったとき、自分の担当業務を多めに設定していました。
- メンバーが忙しくならないよう気をつかいすぎた
- メンバーのスキルを信用しきれなかった
(自分で対応するほうが楽だと考えてしまった)
プロジェクト管理をはじめたばかりの頃は、メンバーの技量が分からず不安を感じました。
そして「不安な個所は自分でやろう」とスケジュールを組んだ結果、自分の負担が増えてしまったのです。
忙しい状況となってからでは、業務を頼みづらくなってしまいます。
だからこそ、メンバーをできるだけ信頼したうえで、業務を割り振るべきだったと感じました。
断る勇気が必要だった
仕事にかかわる依頼は、どうしても「断りづらさ」を感じてしまいます。
エンドユーザーとクライアントが揉めてしまった案件も、いま思えば断っておくべきでした。
交渉して担当範囲を減らしてもらったけど、
それでも無茶な要求を引き受けてしまった。
該当のクライアントは主要な取引先であったため、下請けの立場では断りづらさがありました。
しかし、個人的な経験則ですが、無理をした経験が将来に活かされたことはありません。
いつも以上に高額な見積で利益を得たけど、結局退職したので個人的なメリットにはなりませんでした。
無理をすることは立派ではない|嫌われる勇気が大切
今回のまとめ
- とにかく業務を片付けることに集中した
- 欲求に対して正直に過ごした
- ギブアップした(同僚に助けてもらった)
- 業務を自分で抱え込みすぎた
- 断る勇気が必要だった
嫌われてでも「自分の許容範囲」を超えるような無茶はやめるべき!
繁忙期を迎えてしまった要因は、忙しい状況を「自分自身」で作ってしまったことです。
- 周りに頼らず突っ走ってしまった
- 嫌な予感がしながら引き受けてしまった
結果的に誰のせいであろうが、後悔してからではどうにもなりません。
(誰も解決できない・自分で何とかするしかない)
「嫌がられるかな」と気にせず他人に頼る
「嫌われるかな」と気にせず無理な要求は断る
一生懸命に頑張っても「無理をしたこと」が評価されることはありません。
見栄をはることは、大きなリスクを伴います。
だからこそ、嫌われてでも「自分の許容範囲」を超えるような無茶はやめましょう。
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