2020年頃からリモートワークの普及により、フリーランスの働き方が注目を集めています。
僕自身もフリーランスに興味をもち、会社員(システムエンジニア)から転向した一人です。
しかし、正直なことを言うと、当時は「フリーランスの働き方」なんて知りませんでした。
「カフェで仕事してるのオシャレだな~」
「自由に働けて楽しそうだな~」
この程度のささいな「あこがれ」だけで、フリーランスの道を選びました。
いざフリーランスとなって、キラキラとした理想とは異なる「現実」も実感しました。
そこで今回は「フリーランスと会社員の違い」をテーマに、実際に体感したことを解説します。
この記事でわかること
- フリーランスと会社員の違い
- フリーランスの理想と現実のギャップ
(事前前に知っておくべきこと)
- 元システムエンジニア
- 管理職・マネージャー経験あり
- 現フリーランス(Web制作・ディレクター)
会社員とフリーランスを経験して感じた違い
会社員(システムエンジニア)を辞め、フリーランスへ転向したことで、以下の要素に大きな変化を感じました。
- 働き方
- 収入
- やりがい(楽しさ・面白さ)
個人的にはフリーランスに転向して良かったと感じています。
しかし、他人に「フリーランスがおすすめだよ!」とは言えません。
それは、良い変化もあれば、悪い変化もあったからです。
自分に合った働き方は人それぞれなので、あくまでも一例として参考にしてみてください。
率直な感想と体験談を書いてみます。
働き方
フリーランスに転向して、働き方がガラッと変わりました。
以下は、僕自身の働き方の変化(会社員⇒フリーランス)を比較した表です。
働き方の変化 | 会社員 | フリーランス |
---|---|---|
業務時間 (1日) | 8~16時間 | 6~8時間 |
業務場所 | 会社 | 自宅 コワーキングスペース |
業務範囲 | 開発 マネジメント | 営業 Web制作 マネジメント 経理 |
休日 | 週2日 (土日祝) | 不定期 (月2日程度) |
フリーランスになって、業務時間が格段に減りました。
といっても「フリーランスだから減った」のではなく、忙しくならない程度に業務量を制限しているからです。
システムエンジニアの頃が忙しすぎた反動で、
ちょっとだけ業務量をセーブしている部分もあります。
フリーランスには「やりたい業務」を「好きな時間・場所」で取り組める自由度があります。
しかし、やるべきことが増える大変さも実感しています。
- 営業すること(提案・受注)
- 経理すること(帳簿付け・確定申告)
- 自己管理すること(スケジュール・勉強)
もはやフリーランスは「自分」という小さな会社を経営するようなものです。
外注化という選択肢はあれど、会社では各部署で分担していた業務も自分で取り組む必要があります。
やるべきことが増えれば、覚えることも増えるし、勉強も必要です。
だから「休日」と呼べる日は減りました。
忙しさを軽減できたので、
「休日(休むだけの日)が不要になった」って感じです。
収入
フリーランスになってからの収入は、会社員の頃より減りました。
平均月収は会社員時代と変わらない程度です。
しかし、案件や業務量によって増減するので安定しません。
収入の変化 | 会社員 | フリーランス |
---|---|---|
月収 | 約30万 | 0~80万 |
安定性 | あり | なし |
ボーナス | あり | なし |
会社員の頃は、良くも悪くも一定額の給料をもらえていました。
また、ボーナス(約2ヶ月分)も、夏冬2回の支給がありました。
フリーランスとなったいまでは、臨時収入もなければ、月収すらないこともあります。
単価が低い時期は、頑張って働いても数万円しか稼げない月もあります。
とはいえ、案件次第では、月収80万に達した月もあります。
ただし、継続性のない「一発屋」な案件では、安定性に欠けることも悩みどころです。
やりがい(楽しさ・面白さ)
フリーランスになって、もっとも変化を感じた要素が「やりがい」です。
やりたい業務を好きな時間・場所で取り組める状況は、会社員時代には体験できませんでした。
会社員が悪いのではなく、たまたま僕には合わなかったってことです。
フリーランスとしては「収益+ノウハウ」を得るための案件選びを意識しています。
将来的にブログ運営を検討していたことが理由です。
そのため、SEOコンサルのクライアントから、Webライター(現在はWebディレクター)の案件を受注していました。
- Webライター:文章力を学ぶため
- Web編集者:SEOを学ぶため
- Webディレクター:発注業務を学ぶため
もちろん収入が安定しないことへの不安はあります。
しかし、目的をもって前向きに取り組むことは、やりがいを感じずにはいられませんでした。
同時に、会社員時代に当たり前のようにもらっていた「月収30万」のありがたみを実感しました。
フリーランスの理想と現実は違う|事前に知っておくべきこと
いまのところ収入は減ったけど、フリーランスにはやりがいを感じている
ここまでは上記のような、どちらかというと「フリーランス寄り」の内容をお伝えしました。
しかし、会社員だった頃に思い描いていた理想とは異なる現実も体感しています。
- 実績を積まないと稼げない
- 営業力がないと受注できない
- 経理の対応に手間がかかる
- 基本的に立場が弱い(保証・信用がない)
- 自由であることが裏目に出ることもある
「会社員とフリーランスを経験して感じた違い」でふれたように、フリーランスを純粋に勧められない理由はデメリットもあるからです。
もし、これからフリーランスを目指すのであれば、デメリットがあることを事前に知っておきましょう。
実績を積まないと稼げない
フリーランスには、会社員以上の月収を稼ぐ人もいます。
しかし、その人たちのように、自分自身も同じように稼げるとは限りません。
フリーランスが注目を集める現代では、高単価・好条件な案件には応募が殺到します。
当然ながらクライアントは、実績やスキルを比較して採用を判断するでしょう。
僕自身も初心者向けの案件から実績を重ねて、
クライアントへのアピールポイントを少しずつ増やしていきました。
フリーランスとしての実績がない時期は、希望する案件を受注できないことも少なくありません。
とくにクラウドソーシングサイトを利用する場合は、低単価な案件に悩まされることも。
個人的には「実績のため、スキルアップのため」と割り切る覚悟も必要でした。
営業力がないと受注できない
フリーランスは、自分自身で案件を探し、受注するのが基本です。
案件に応募する際は、スキルや実績をクライアントに伝える営業力が必要となります。
- 採用条件を満たす根拠(スキルや実績など)
- 希望する契約条件
- クライアントからの質問への回答
しかし、クライアントは、会社員時代の評価や人柄をまったく知らない初対面です。
優れたスキルや実績があっても、適格に伝えられなれば採用には至りません。
Webライターの案件に初めて応募したときは、
システムエンジニアの頃の働き方や取り組む姿勢をアピールしました。
オンラインでの案件探しをゼロからスタートするのは、どうしても安定性を確保するまで時間がかかってしまいます。
可能であれば、会社員のうちに「職場・知人・取引先」といったつながりを得ることも大切です。
実績や人柄を知っている相手であれば、採用へのハードルが下がることも期待できます。
僕も辞めた会社とは、いまでも連絡をとりあっています。
人手が不足して困っているときは、条件次第でフォローすることも。
経理の対応に手間がかかる
確定申告や帳簿付け、さらには納税手続きといった処理は、すべて自分自身での対応が必要です。
会社員時代は経理担当に任せていたことでもあるため、対応する手順を覚えたり時間を確保したりと手間がかかります。
- 売上や経費に設定すべき科目の判断
- 経費をどこまで含めて良いかの判断
- 領収書や書類をいつまで・どのように保管すればよいかの把握
- 納税にまつわる仕組みや法律の理解
めんどくさくて慣れない経理処理は、テキトーに済ませてしまいたいのが本音です。
しかし、法律にかかわる処理でもあるため、不適切な対応を許してくれません。
確定申告でe-Taxの使い方が分からず、
イライラしながら対応した苦い思い出があります。
基本的に立場が弱い(保証・信用がない)
フリーランスは、立場の弱さも欠点です。
- トラブル時に頼る存在がいない
(会社や上司に守られていない) - 会社員のような福利厚生がない
(厚生年金・社会保険・失業保険など) - 社会的な信用が低い
(クレジットカードや賃貸物件の審査)
万が一のトラブルが発生した場合には、自分で対処して解決する必要があります。
困ったときに会社が助けてくれることもなく、福利厚生のサポートも得られません。
また、フリーランスは、社会的な信用が低い傾向にあります。
- クレジットカードや賃貸物件の審査
- 車や住宅など高額ローンの審査
- 保育園の入園審査
上記の審査を検討している場合は、できれば会社員のうちに済ませておくことを推奨します。
自由であることが裏目に出ることもある
フリーランスは自由な働き方を選択できる反面、徹底した自己管理を求められます。
「やる気が出ないから今日はサボっちゃおう」
「集中力が保てなくてダラダラと夜中まで作業しちゃう」
「SNSの通知が気になるからチラチラ確認しちゃう」
自分の裁量で仕事できるフリーランスは、働き方を上司に監視されることはありません。
しかし、適度なプレッシャーのない環境は、サボり癖がつく要因となります。
こっそりと手を抜いたことに、文句を言う人も監視をする人もいません。
しかし、その結果で生じた不利益をフォローしてくれる人もいません。
自由には責任が伴うように、フリーランスには徹底した自己管理が必要です。
僕自身もそうなのですが、
自分を甘やかす癖がつくと軌道修正にかなり苦労します。
副業という選択肢もある
フリーランスに転向するのではなく「会社員を続けながら副業する」といった選択肢もあります。
会社を辞めざるを得ない理由がない限り、まずは副業で試してみるのが得策です。
- 安定した収入を手放さなくて済む
- 副業が合わなくても会社員でいられる
- フリーランス転向までのお試し期間となる
フリーランスは、事業に必要なものを自費で揃える必要があります。
収入が不安定で「生活するのも精一杯」な状況では、もはやフリーランスどころではありません。
会社員の安定した収入を失うことは、仕事にも生活にも大きなリスクを伴います。
お試し期間のつもりで、まずは副業から始めてみる選択肢も検討してみましょう。
WebライターやWebディレクターで一緒に働いていたメンバーは、7割くらいが副業でした。
副業ではなくフリーランスを選んだ理由
僕は会社員(システムエンジニア)を辞めました。
そして、副業や転職ではなく、フリーランスの道を選びました。
- 自分の裁量で働きたかったから
- 給与所得に限界を感じたから
システムエンジニアの頃は、プロジェクトや部下の管理に携わる立場でした。
そのため、自分ではコントロールできないことに振り回されることも多々ありました。
身を削って深夜残業しても、基本給が変わることはありません。
幸いにも「申請した分」の残業代は払ってくれる会社でしたが、微々たるものです。
だからこそ、フリーランスが「やることを自分で決められる」「やった分だけ収入を得られる」ことに魅力を感じました。
想定していた理想とのギャップを感じることもありますが、
挑戦する楽しさとやりがいを実感しています。
働き方選びはリスクとメリットを理解することが大切
今回のまとめ
- 働き方
- 収入
- やりがい(楽しさ・面白さ)
- 実績を積まないと稼げない
- 営業力がないと受注できない
- 経理の対応に手間がかかる
- 基本的に立場が弱い(保証・信用がない)
- 自由であることが裏目に出ることもある
安定した収入を失うリスクは無視すべきではない!
(お試しで副業から始めることも検討しよう)
会社員とフリーランスの働き方には、さまざまな違いがあります。
しかし、一概に「どちらが優れているか」を判断することは困難です。
僕自身はシステムエンジニアを辞めて、フリーランスの道を選びました。
フリーランスの働き方は自分に合っていると実感していますが、収入が減り改善すべき課題が残っていることも事実です。
働き方の選択に不安を感じたときは、副業のような「やり直せる選択肢」も検討してみましょう。
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